文部科学省は25日、2017年度の公立小中学校の教職員定数について、定年退職などによる自然減を除いた部分で3060人の増員を図る方針を固めた。
発達障害がある児童生徒を通常学級で教える「通級指導」の充実のため890人増やす。また、日本語の不自由な外国人の児童生徒に対応するため190人増やす。17年度予算概算要求に必要経費を盛り込む。
さらに、貧困家庭に育つ児童生徒の学力底上げのための教職員と、いじめや不登校の対応強化のための教職員をそれぞれ400人増員。小学校で理科や音楽などの専科指導を行う学校が増えていることや、小学校での英語の正式教科化などを踏まえ、専科指導の充実へ330人増を要求する。小規模校への支援体制や、学校事務職員なども充実させる。
増員により児童生徒1人当たりの教職員数は増加するが、定年退職による自然減が17年度は約3100人に上るため、全体の定数はほぼ横ばいになる。教職員の若返りによる平均給与の減少もあり、義務教育費国庫負担金は前年度比86億円減の1兆5185億円となる見込みだ。
時事通信社 配信