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全国ことばを育む会 広報部会開く

全国ことばを育む会の広報部会が開催されました。
以下広報部会で確認された内容をお知らせします。
全国ことばを育む会平成26年度・広報部会決定確認事項
2015月1月15日 たばこ会館・全国事務局にて

image1、 この1年間の活動の概要と総括
○わが会を巡る内外の状況について
・「障害者の権利に関する条約」の批准(2014年1月20日寄託日 2月19日発効)
JD藤井克徳常務理事著『私たち抜きに私たちのことを決めないで─障害者権利条約の軌跡と本質』を活用して、わが会として研修を深めていくことの必要を確認
・50年記念全国大会・千葉大会の開催と「大会宣言」の採択(2013年8月)
大会宣言の各項目は、『ことば』裏表紙に毎号掲載することとした
・中学校、高等学校へと「通級の制度化」が進んでいく。就労問題への関心と要求の広がり。制度化は促進されつつあるが、内容の充実は今後の課題。『ことば』でもこの間、「特集」を組んで注意を喚起してきた
・会の構成の変化 「難言の親の会」中心から「発達障がい児の親の会」へ
・医療・福祉面での注目すべき問題。例えは人工内耳の問題、口蓋裂手術の問題など
・全難言協が『きこえとことば研修テキスト─第2版』を刊行

(1)『ことば』の発行について
◇ JKAの補助事業から外れて、会単独の事業となり、発行回数が6⇒4となった
◇ 今年度の4回の内容について
▽「提言」四本─すべて理事長の責任で執筆してきた
▽「特集」274号「ことばの教室担当者の立場から『親の会』を考える」(加藤)
275号「子どもと歩む『親の会』活動」(加藤)
276号「わが子が、私が歩む道~『働く』ステージへ」(藤原、出井)
277号「難聴のある子どもの育ち─理解と支援について」(池田)
▽「読者の広場」 ─ 記事の収集体制を検討していく
▽その他のページについて

(2)ホームページの内容と編集について
◇ 田辺広報部長に入った情報をその都度入力して、更新してきた─アクセス数は順調に伸びているが、情報が一貫性を貫く上では不十分。全国の動きが十分に反映されていない。これをどのように改善していくか。各県と広報部長をメール繋ぐ必要
◇ JDからの障がい者問題全般の情報を知らせる点では、効果的である
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2、 来年度の基本方針と今後の広報部の活動
(1)『ことば』の編集計画と編集体制
◇「提言」の執筆者を複数にできないか ─ この一年間は理事長執筆ですすめる
◇表紙絵の作者を別に検討してみないか ─ 引き続き加藤 恵さんにお願いする
◇「読者の広場」の原稿の収集の担当を決めることはできないか? 当面田辺広報部長が担当者となり、取材網を工夫していく
◇「特集」のテーマについて─四本を決める。
250号以来277号まで、27本の特集を組んできた。内容は、難聴3 吃音3
発達障がい3 口蓋裂1 場面緘黙1 幼児問題2 中学・高校・思春期2 制度・法制1 東日本大震災1 歩んだ道3 親の会活動3 育児・子育て2 50年史1 千葉大会1
※ いまどのようなテーマが切実に求められているか?を議論。今年一年の発行計画、「特集」テーマ、担当者を以下のように決定した。テーマ名は仮題。今後の検討によって、大幅に内容が変更されることもある。発行日や通巻号数などは、ZSZで最終確認されるので確定ではない。
▽278号=5月28日付け(予定)「障害児の療育・教育と医療の最新状況」 人工内耳、口蓋裂手術、薬の使用など(担当・池田)
▽279号=8月28日付け(予定)「子どもを真ん中に親・親の会と先生か三人四脚で歩む」活動を追って─広島の吃音カフェ、群馬、滋賀、東海など(担当・出井、藤原)
▽280号=11月28日(予定)全国大会佐賀大会と各地の親の会の50周年に至る特色を追って。岩手、北海道、山口などが考えられる。(担当・田嶋、藤原、出井)
▽281号=1月28日 「障害者権利条約」の立場から、教育、福祉、「親の会」活動の今後を考える。管理職経験者、難言の現場、親の会活動の当事者などから執筆者を検討していく(担当・加藤)
◇ テーマを選択するにあたってあらかじめ示したのは以下の通り。 ①障害者権利条約を活かした新しい角度からの運動についての問題提起 ②医療の進歩と問題点(例えは人工内耳、口蓋裂手術問題など)③親の会と担当者との連携(パートⅡ)④肥後講演、山口講演のような示唆的な役立つ内容の紹介など ⑤50周年を迎えた全国各道県の取り組みを全体として紹介する などから四本を選び、担当を決めて取りかかる。

◇事実上の編集長を加藤が約9年務めてきた。①自宅でやるという制約 ②印刷所との連携で距離的な困難 ③個人の経費が結構かかっている などのデメリットがあり、来年度から東京事務局で池田先生を中心に編集体制を移行してはどうか?という問題提起をうけ、東京事務所を起点に、池田先生に編集の軸を置くことを確認
◇担当者は、関係者とも協議の上、発行日の三カ月前を目処に「編集企画案」を作成して、
広報部員にメールで送信し、参考意見をもらいつつ、編集作業にかかることとする。池田、加藤両名で、編集作業の取りまとめを進めていく。「提言」と「表紙・表紙絵」は値加藤の責任で完成して、印刷所に送る。
◇ 原稿料はわが会の予算規模が弱小で、計上できない。執筆者にはあらかじめ、その点
を明確に述べて、『ことば』誌を希望に応じて10冊から数10冊規模で差し上げることとする。

(2)ホームページの編集とその内容について
◇田辺広報部長を中心にしつつ、情報の集中、取材の体制を改善していく
◇各県の細かい動きまで反映していけるように、どう改善していくか。
◇補助事業の結果のアップ

久保山茂樹編著 「子どものありのままの姿を保護者とどうかかわりあうか」発刊

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国立特別支援教育研究所の久保山茂樹先生の最新の冊子が発行されました。
この冊子は、岡山県の通級指導教室の担当者を長年務められ、現在ノートルダム清心女子大学で活躍されている青山新吾先生が編集代表を務められています。
このたび、青山先生から、冊子の紹介の記事を書いていただきましたのでご紹介します。

『子どものありのままの姿を保護者とどうわかりあうか』学事出版から出た久保山茂樹先生の新著です。
このたび学事出版から特別支援教育ONEテーマブックシリーズが刊行されました。派手さはないけれど、特別支援教育にかかわる課題に迫っていくため、エッジの効いたONEテーマを設定し、家庭や地域、園や学校等の現実のエピソードを大切にして記述していくシリーズです。
久保山先生のこの1冊は、保護者とどのように子どものことをきょうゆうしていくことが、子どもの,親子のしあわせにつながるかというテーマのヒント満載です。「保護者の歴史」を尊重し、保護者の「おもい」とのズレを自覚して進む。噛みしめていけば味が出る1冊を、様々な職種の方々や保護者の皆様に読んでいただければ大変嬉しく思います。
ノートルダム清心女子大学 青山新吾

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この冊子はAmazonで購入できます。

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JDからの情報です。北海道新聞掲載の藤井克徳代表の講演記事

藤井克徳JD代表が9月末に北海道札幌市で行なった講演「障害者権利条約からみた今日の福祉施策の問題点」について、地元・北海道新聞で掲載されましたので、記事を掲載します
タイトルは障害者の暮らし困難 権利条約の“奏で方” カギ とあり、東日本大震災の障害者死亡率が一般住民の2倍だったこと、障害者所得が極端に低く貧困につながっていること、平和問題関連にも触れ、東京都最古の精神科病院入院患者の死亡者が1942年176人が終戦の1945年は478人に激増し、それは食料供給を止めたため、などと合わせて、権利条約という同じ楽譜があっても、政治や市民をも含めた奏で方如何で障害者の生活から社会全体の構造が全くちがってくる、奏で方がかぎ、と話されました。

jd

JDから 「盲ろう者のための本音ラジオ~もっと毎日を楽しみたい編!」のお知らせ

みなさま

NHKラジオ番組「きいて、きかせて」のご案内です。

**
視覚と聴覚の両方に障害がある盲ろう者。
日本では推定14000人以上ですが、
法的な定義づけもなく、情報入手にも大きな制約がある中、
孤立している人は少なくありません。
その本音に迫る「盲ろう者のための本音ラジオ」。
盲ろう教育、盲ろう者の社会参加、差別の解消など、
語るべきことはたくさんありますが、今回のテーマは、
「もっと毎日を楽しみたい」でした。

ゲストは3人の魅力的な盲ろう者。
「“おしゃべり”が大好き!」と語る25歳の女子、荒(あら)美有紀さん、
生まれつき視覚と聴覚に障害がありながらも大学に進学した22歳の森敦史さん、
2人の“お父さん”のように場を明るく盛り上げる東京大学教授の福島智(さとし)さん。

みなさんの“おしゃべり”は、さわる手話「触手話」や、
指と指を重ねて伝える「指点字」など、
通訳介助のみなさんを通しての会話でした。

この夏、新幹線での1人旅に挑戦し、「鉄道が大好き!」という森さんに、
「見えなくて、聞こえないのに、どこが面白いのかな?」と福島さん。
荒さんからもさらなる質問が。森さんの意外な答えは・・・?

放送は昨晩24日(日)の夜、19:30からでしたが、
全文テキスト公開が8月31日の朝8時から、また、
再放送は同じく31日の朝7時半からあります。

番組HP: http://www.nhk.or.jp/heart-net/shikaku/

平成27年度厚生労働省・文部科学省、国家予算編成に関する要望書

この度、全国ことばを育む会は、平成27年度厚生労働省・文部科学省、国家予算編成に関する要望書を提出しました。
文部科学省に対しては、
1)インクルーシブ教育システム構築のため、特別支援教育の推進を図るうえで、人的諸条件の整備。
2)幼児児童生徒の障害の重度・重複化、多様化に対応した教育の充実。
3)発達障がいのある児童生徒に対する教育的対応の充実。
を求めています。

厚生労働省に対しては
1)就労への支援の充実。
2)生涯にわたる支援体制構築の開始。
3)批准された「障害者権利条約」の立場から、国内法の整備を早急に行う。
4)手話を言語として認知する「手話言語法」の制定を要望する。
5)東日本大震災で被災した地域の障がい児のための予算措置
を求めています。
Microsoft Word – 平成27年度文部科学省・国家予算編成への要望書(2014-6-27)
Microsoft Word – 平成27年度厚生労働省国家予算編成への要望書(2014-6-27)

厚生労働省「障害児の施策に関わる検討会」報告書の送付  全国特別支援教育推進連盟事務局

全国特別支援教育推進連盟事務局より、厚生労働省「障害児の施策に関わる検討会」報告書が送付されてました。
これからの障害児の施策をめぐって、多角的な検討がされています。長文ですのでPDFファイルで掲載します。

(表紙)
HYOUSI

今後の発達障害児のの方向性 厚労省(PDFファイル)

JDから、各新聞社の社説などの紹介がありましたので掲載します。

最近の新聞社説等です。

○徳島新聞社説 7月14日付

改正生活保護法 自治体は適正に事務を
http://www.topics.or.jp/editorial.html

 

生活保護の不正受給対策強化を柱とする改正生活保護法が、今月全面施行された。

1950年に施行されて以来、初の本格的な改正である。きっかけは人気お笑い芸人の母親が受給していたことだった。ここ数年、一部の不正受給に注目が集まり、受給者が肩身の狭い思いを強いられる風潮が続いている。

ともすれば負のイメージがある生活保護だが、憲法25条の生存権に基づく国民の権利であることを、あらためて確認しておきたい。

2012年度の不正受給は全国で約4万2千件、金額にして約190億円に上り、件数、金額ともに過去最悪を更新した。ただし、金額でみれば全体の0・5%にとどまっている。

意図的に収入を隠して保護費をだまし取る悪質な不正はもちろん許されない。だが、不正防止と保護費抑制に重点を置くあまりに、本当に必要とする人が受給できず、貧困にあえぐことがあってはならない。

改正により、罰金の上限が30万円から100万円に引き上げられ、返還金にペナルティーの上乗せが可能になった。こうした厳罰化に加えて、福祉事務所の調査権限も拡大された。

昨年末の改正では、申請時に収入や資産を記入した書類の提出を義務付けた。しかし、「必要な人が申請をためらう」と反対意見が相次いだため、口頭での申し込みも受け付けるよう4月に修正がなされた。

手続きの厳格化によって、自治体が申請を窓口で門前払いする「水際作戦」が助長されるのではないかと懸念されていた。しかし、修正で一応の歯止めがかかった格好になった。国会も「水際作戦」を行わないよう政府に周知徹底を求める付帯決議を採択している。

それぞれの自治体は、修正の経過などをきちんと踏まえた上で、適正に事務を執行してほしい。

不正受給対策に加えて、自立支援も改正法の柱に据えられている。

受給中に働いて得た収入の一部を積み立て、保護から抜けた後に支給する「就労自立給付金」制度が創設された。収入があると保護費が減らされるこれまでの仕組みと比べて、働く意欲を高める効果が期待されている。

さらに、生活保護に至る手前での自立支援強化策を盛り込んだ生活困窮者自立支援法が、来年4月に施行される。

自治体に生活困窮者向けの相談窓口や、支援計画策定を義務付けており、経済的困難に直面している人に暮らしの改善の手助けをする。

今年3月時点の生活保護受給者数は約217万人と過去最高を更新し、増加傾向は続いている。

不正受給対策も必要だが、生活困窮者をこれ以上増やさないことがより重要である。自立支援策が十分効果を発揮するように、国と自治体は連携して取り組みを強めなければならない。

ある自治体を対象にした調査では、生活保護世帯のうち25%の世帯主が出身世帯でも生活保護を受けていたという。親の世代の経済格差が子どもに引き継がれてしまう社会は、公正で開かれたものとはいえない。

貧困の連鎖を断ち切るための対策を急ぎたい。

 

○長崎新聞 7月14日

障害者・高齢者に支援法を

http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2014/07/14090002013831.shtml

 

罪に問われた障害者や認知症高齢者らの特性に配慮した取り調べや裁判、処遇の在り方を定めた新法「触法障害者・高齢者支援法」の制定を、累犯障害者の更生支援に取り組む社会福祉法人南高愛隣会(雲仙市)の前理事長で全国地域生活定着支援センター協議会の田島良昭代表理事が国に提言する。一貫した福祉的な支援を通じて更生と社会復帰を促し、再犯率の低下を図る。

東京で13日に開かれた司法と福祉の連携を探るシンポジウムで明らかにした。法務省や厚労省に14日に提言書を出す。今後、関係省庁や日弁連、有識者による専門委員会を発足させ、障害者・高齢者・罪の範囲を議論するとともに、関係法の見直しを検討。3年後の立法化を目指す。

 

*触法障害者・高齢者支援法の制定を提言する全国地域生活定着支援センター協議会の田島良昭代表理事=東京都千代田区、

日本教育会館一ツ橋ホール  (写真略)

提言書や同協議会によると、刑務所入所者の高齢化や認知症は年々増えている。新法は未成年の特性に配慮して刑法から切り離している少年法の仕組みを参考にする。

具体的には、冤罪(えんざい)を防ぐため警察・検察の取り調べをすべて録音・録画(可視化)。裁判では、通訳的な役割を果たす助言・立会人や特別弁護人が付き添い、福祉的な鑑定や環境調整のための相談支援も積極的に活用する。

刑務所では、障害判定や出所に向けた特別調整のほか、受け皿とのマッチングのための外部実習、早期の仮釈放、疾病治療のための刑の執行停止も可能にする。保護観察処分など施設に収容されない人は、福祉サービスの提供を受けながら社会での更生を目指す。捜査資料のうち福祉的な資料は引き継ぐようにする。

同会は10年前に累犯障害者の更生支援を始め、厚労省の研究事業で刑務所を出た後に福祉につなぐ「出口支援」や検察捜査や裁判段階で福祉的なサービスにつなぐ「入り口支援」に取り組んできた。田島氏は「入り口から出口、そして社会の中までトータルで支援できる法律を、民間も支援するので政府の責任でつくってほしい」と呼び掛けている。

 

○キャリアブレインニュース 7月11日

精神医療、脱施設化で遅れ- OECD報告書
 

2011年末時点の日本の精神病床数は人口10万人当たり269床で、OECD(経済協力開発機構)諸国の平均68床と比べて約4倍だったことが、OECDが取りまとめたメンタルヘルスに関する報告書で明らかになった。報告書は、「日本の精神医療は、患者を病院から地域へ移行させる“脱施設化”の点で他国より遅れている」と指摘している。【松村秀士】

報告書によると、日本の人口当たりの精神病床数は、依然としてOECD諸国の中で最も多く、2番目に多いベルギーより10万人当たり94床多かった。ただ、1993年からは減少傾向にあるという。OECDの担当者は、「精神病床をさらに減らすためには地域医療の充実が不可欠」としている。

報告書は、うつ病や不安神経症といった軽・中等度の精神疾患にも言及。日本は地域で軽・中等度の精神疾患を総合的に診る体制が不十分だとし、▽地域医療を担うすべての医療者の精神医療分野での能力向上▽心理療法を中心とした、エビデンスに基づく治療プログラムの作成―を検討すべきだと強調した。

また、OECD諸国の多くは、精神医療の資源が不足していると指摘。各国は精神医療の改善に向けた取り組みを一層強化する必要があるとした。

 

JDからの情報です。病棟転換型居住系施設について考える会が緊急声明

病棟転換についての緊急声明

厚生労働省で昨年来開かれてきた「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」(「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」から改称)は、2014年7月1日、精神科病院への患者の囲い込みを続ける、きわめて深刻な人権侵害であるという強い意見を圧殺し、ついに病棟を転換し居住施設にすることを容認する具体的な方策を取りまとめた。

今回検討会でまとめられた具体的な方策が病床削減を実現するものとする考え方は、まったくの誤りである。病棟を転換し「病床を削減した」などということは絶対に許されてはならない。提案された病棟転換施設が精神科病院へ患者の囲い込みを継続させ、障害者権利条約、例えば第19条“自立した生活及び地域社会への包容”、特に同条(a)“特定の生活施設で生活する義務を負わないこと”等々数多くの条項に違反するものであることは明白である。

当会では、本年5月20日の議員会館で院内集会、6月26日には日比谷野音にて3,200人の障害当事者や家族、現場の関係者を中心とする参加者と共に緊急集会を開催し、病棟転換に反対する緊急アピールを採択して厚生労働省に申し入れを行ってきた。

しかしながら、構成員の大半が医師やサービス提供者で占められた検討会において病棟転換を容認する「具体的方策」なるものの取りまとめは強行された。私たちは、このことに対し厳重に抗議する。
検討会取りまとめの文書では「障害者権利条約に基づく精神障害者の権利擁護の観点も踏まえ」、「不必要になった建物設備等の居住の場として活用」することが記載された。そもそも「障害者権利条約に基づいて病棟を転換する」ことなど論理上有り得ないことであり、「病棟を居住の場にすること」はあってはならない。権利条約はそのようなことを求めていない。私たちは国際社会から一層の非難を重ねることになる人権侵害の道を歩み始めるこの政策について断固として中止を求める。

それはいかなる条件付けを行おうとも歩み出してはいけないものであると確信する。
また「検討会取りまとめ文書」で提案された試行事業について「この事業を自治体と連携して試行的に実施し運用状況を検証すべき」と記載されたが、試行事業そのものも実施すべきではない。

なによりも、このような精神障害当事者に関る重要施策が、25人の構成員のうち精神障害者2人、家族1人、一方で医師は半数以上の13人という偏った構成の検討会において決定がなされたことについて、その正当性につき重大な疑義が生じている。今後、国や自治体において障害者施策を検討する委員会等においては、少なくとも半数以上を当事者・家族委員とし、当事者・家族の意見が反映されるよう強く求める。
私たちは、引き続き、わが国の大多数の良識ある普通の人々と共同し、過剰な病床を抱える精神科病院の延命と福祉の名を借りた新たな隔離施設をつくり出そうとする本事業が撤回されるまで行動を続けることを決意する。

2014年7月3日

病棟転換型居住系施設について考える会

《連絡先》長谷川利夫(杏林大学保健学部作業療法学科教授)
〒192-8508 東京都八王子市宮下町476 杏林大学 保健学部 精神障害作業療法学研究室内 TEL.042-691-0011(内線4534)〔携帯電話〕090-4616-5521  E-mail  stopbttk@yahoo.co.jp
http://blog.goo.ne.jp/tenkansisetu

失語症の会から届きました。「ドキュメンタリー映画『言葉のきずな』

失語症の会から、下記の内容のドキュメンタリー映画「言葉のきずな」自主上映会の案内が届きました。

当会の加藤理事長あてに監督の田村周さんからメッセージが寄せられましたので掲載します。

「この映画に登場するする方々は、その多くが中途障害により、言葉の機能の一部を失った人たちです。その人たちが演劇活動を通して、言葉だけでなく、「自分らしい生き方」や「気持ちの現し方」を見つけていく過程を追いかけた映画です。皆様にご覧いただきたいと思っております」
                             映画「言葉のきずな」監督 田村 周

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