新型コロナウイルス対応で、各地の親の会がきこえの教室・ことばの教室で学ぶ子どもたちの ために、タイムリーな事業を実施しています。そのうちの一つ、熊本県ことばを育てる親の会 の活動を紹介いたします。

熊本県親の会における透明マスク配付事業について

親の会が透明マスクを配布する事業をこの初夏に行いました。

新型コロナウィルス対応での報道番組では、当初、皆さんがマスク姿で語られる際に口元が見えないため、聴覚に障がいがある人には、話の内容が分からないという状況がありました。その後、この事情に気がつかれた放送局では、総理や知事などの会見の際、横に立つ手話通訳者がマスクを着用しない理由がネットなどで取り上げられるようになり、多くの自治体や団体、学校などが「透明マスク」の有用性を意識することになりました。

そのようななかで、私たちの地域でも5月一杯は休校、学校再開後もしばらくはマスク着用の授業が続く見込みです。先生の口元は隠れて表情も分かりにくく、授業の遅れを取り戻すべく早口にもなり、子どもたちは聞き取ることができなくなる。発音指導もできなくなる・・・。子ども本人も、親も、指導する先生にも、不安が残ります。

平成28年度の熊本地震では、全国各地からたくさんのご支援をいただいたのですが、県親の会としては、被災した会員や子どもたちに向けた支援を何らできなかったことに、幾許かの後悔がありました。そしてまたこのコロナ対応でも無策のまま、ただ単に学校再開を待っていてよいのか、という気持ちが会員の間に沸き上がりました。

透明マスクは感染予防も含めてオールマイティなツールとはなり得ませんが、使用方法や着用機会を工夫することで、不安を解消する一助にはなり得ると考え、県下の幼小中の難聴学級と難聴・言語通級指導教室に向けて配付しました。難聴児の在席学級あるいは交流学級の先生の分も含め、計400枚を無事ゴールデンウィーク前に全数配付することができました。

地元新聞とTV局に報道もいただき、大きな反響がありました。高校や団体・施設などからも入手先の相談や提供依頼を受けました。学校によっては、全校の先生方に着用いただき、他の子どもたちの不安解消にも繋がったと喜んでもらっています。今回の透明マスクの配布を通して、健聴の方々の間にも、障がいと障がい児への理解に繋がったのではないかと考えています。親の会としての「役割」の姿も少しだけ見えた気がしています。

令和2年7月  熊本県ことばを育てる親の会  会長 古瀬庸祥

競輪公益資金による捕縄事業の完了報告

JKAより補助をいただき、「平成30年度障害のある人が幸せに暮らせる社会を創る活動捕縄事業」として、NPO法人全国ことばを育む会は、下記のように事業を実施し、平成31年3月20日に事業が完了しましたことを報告いたします。