「今年もいっぱい相談に来たよ」                       石川県ことばを育む親の会 能登地区教育相談会            

石川県ことばを育む会 会報「あじさい」60号に能登地区の教育相談会の様子が掲載されています。
ご紹介します。

県下三地区(能登・金沢・小松)で10年以上続けている教育相談会。今年度も昨年11月24日(日)、能登地区での教育相談会を穴水町のとふれあい文化センターで行ないました。相談会の受け入れ態勢も10年前から変わらず、金沢大学准教授の小林宏明先生、臨床心理士で明和特別支援学校相談センターの上農肇先生をはじめ、七尾市小丸山小学校と羽咋市羽咋小学校のことばの教室、ろう学校の先生方や能登地区の病院から言語聴覚士の先生方、更に近年は特別支援学校の先生方も加わっていただき、万全の備えで臨んでいます。
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相談コーナーは4か所。それぞれ約一時間の相談を受け、時に障がいの相談と就学の相談など二人、三人の先生方との相談も珍しくはありません。そのため、相談員の先生方はほぼ午前十時の開始から午後四時の終了までびっしりと相談が詰まっており、ゆっくり昼食もとっていただけないことがままあります。
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この親の会主催の相談会の一番の特徴は、多くの先生方が指摘されるように 「保育室」にあるようです。相談者は受付を終えて心配そうに順番を待つ間、保育室でたくさんのおもちゃで親子で遊んでいます。多くの先生方は、相談の前にこの保育室での親子、子どもの様子を見て、それから相談室に誘います。時にはそのまま保育室で保護者と相談を始める先生方もいます。特に吃音の子どもの場合、相談室で先生と対面しているときは吃音があまり出ない子どもがよくいます。そのため、他の相談機関では「大したことはない」と言われがちだと、保護者の声をよく聞きます。

国連広報センター:日本、「障害者権利条約」の批准書を国連に寄託

日本は1月20日、国連事務局(ニューヨーク)に対し障害者権利条約の批准書の寄託を行いました。
以下は、関係者の代表の方々にこの批准にあたって頂いたメッセージです。

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「1月20日、障害者権利条約の批准が無事行われたことに、喜びも一入ですが、同時に、条約の実施に向けて改めて身が引き締まる思いです。我が国は2007年に条約に署名し、この度条約を批准しましたが、この間も、障害者にかかる国内関連法及び諸制度の整備に努めて参りました。こうした、条約署名後関連する国内体制をしっかり整えてから条約を批准するやり方を評価頂く声も、当事者である障害者の方々から頂いております。国内外の障害者の権利の実現に向け、引き続き、障害当事者の方々や関係省庁とも緊密に連携しながら、真摯に取り組んでいきたいと思います」
外務省総合外交政策局長 平松 賢司

「障害者権利条約の批准は私達が待望していたものであり、関係者のこれまでの慎重かつ真摯な対応に深く敬意を表します。同条約は障害のある人と社会との関係に関する新たな国際規範であり、制定過程で繰り返された『私達抜きに私達のことを決めないで』の精神と共に、掛け替えのない価値をもつものです。今後は万人が住みやすい社会の実現に向けて、内外の関係者との絆を更に強め、条約の高いレベルでの実施をめざしていく決意です」
日本障害フォーラム(JDF)代表 嵐谷 安雄

「日本は障害者人権条約の締結に大きな役割を果たしました。技術力やアクセサビリティ、先進的な政策を持ち合わせているだけでなく、交渉にも障害者の視点を取り入れていたためです。今後は批准国として、いかに条約が役立つものになるかを検討する締約国会議に積極的に参加してほしいです。日本は開発協力の枠組みに障害者開発を組み込み、リーダーシップを発揮することで、自国の共生社会の実現だけでなく、世界にもインパクトをもたらすことができると考えます」
国連事務局経済社会局 障害者人権条約事務局チーフ 伊東 亜紀子

障害者権利条約は、2006年の第61回国連総会において、あらゆる障害のある人の尊厳や権利を保障することを目的として採択された人権条約です。「障害者が完全、かつ公平に社会参画ができるには、社会全体がそのニーズに取り組まなくてはならない」とその条約にはあります。世界では10億人以上の人々が、何らかの障害を抱えながら生活しています。障害者は、世界で最大規模のマイノリティと言えます。

関連サイトも是非ご覧下さい。

・ファクトシート http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/5820/
・国連の基礎知識 http://www.unic.or.jp/activities/humanrights/discrimination/disabled/
・Yahoo! きっず http://topic.kids.yahoo.co.jp/article/humanrights/
・「人権デー2013」特集http://www.unic.or.jp/activities/humanrights/hr_day_2013/

静岡県の50周年記念大会出席しての感想 田嶋事務局長

1月11日に開から他静岡県ことばと心を育む会50周年記念大会に参加された、全国ことばを育む会田嶋恵美子事務局長の感想を紹介します。

静岡県ことばと心を育む会50周年おめでとうございます。

1月11日に、三島市民文化会館を会場に行われた記念式典に出席させていただきました。三島駅に降り立ちましたら、新春の澄み切った青空にくっきりと世界遺産の富士山が出迎えて、ともにお祝いの気持ちを表してくれているようでした。

オープニングには、県東部の通級指導教室の子どもたちが、舞台で三島市のゆるキャラ「みしまるくん」「みしまるこちゃん」と一緒にリズミカルな踊りを披露して下さり、参会者全員に元気をくださいました。

式典は、吉岡会長の挨拶に始まり、豊岡武士三島市長、大石義治静岡県健康福祉部障害者支援局長をはじめとして大勢の来賓の方々のご祝辞をいただき、会の50年の歴史のお祝いと、未来に向けての励ましのお言葉をいただきました。会に貢献された役員、教員の皆様方の表彰もありました。

また、静岡新聞社も取材に訪れていて、翌1月12日の朝刊に写真入り2段組で「ことばと心を育む会が50周年式典」の見出しで報道されました。

かわいいイラストの描かれたカラフルな表紙の『静岡県ことばと心を育む会記念誌 50年のあゆみ』も静岡県の日頃の活発な活動も数多く紹介下さっていて、会員の皆様の様子が手に取るようにわかります。

東西に広い静岡県は、西部・中部・東部と3地区に分かれての活動が中心のようですが、運営については各ブロックで手分けして当たられて、会員の皆様方のチームワークが本当にすばらしいことがよくわかる記念大会でした。夜の交流会では、美味しい静岡の食の恵みをいただきながら楽しく会話がはずみ、雄大な富士山を朝な夕なに見て過ごされる静岡県の皆様方は、本当に情に厚く心の広い方々なのだとあらためて感じ入りました。

 NPO法人全国ことばを育む会事務局長 田嶋惠美子

静岡県ことばと心を育む会、設立50周年記念式典を開催

静岡県ことばと心を育む会は、1月11日(土)三島市民文化会館で設立50周年記念式典を開催しました。
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昭和38年、本会の前身である「吉原市言語障害児を持つ親の会」が、吉原市(現富士市)に設立されました。翌年、保護者の要望が実って、吉原市立吉原小学校言語治療教室が県内で初めて開設されました。以降、本会は半世紀にわたって保護者同士の親睦や学習会、親子の療育事業等を行うと共に、保護者と指導者が連携して子どもを育てることの大切さを発信しながら、ことばの教室やきこえの教室の拡大、通級による指導の法制化、特別支援教育の推進等のために活動して参りました。

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50周年記念大会は、通級指導教室の発展に尽力してきた先人に感謝し、特別支援教育のさらなる発展、充実に保護者と指導者が手を取り合って取り組んでいくことにより、「誰もが、いつでも、どこでも、どこに住んでいても、適切な教育、相談、支援が受けられる」体制の実現をめざすために開催されました。
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当日は晴天に恵まれ、新春の富士山が鮮やかに輝く中、保護者、指導員、子ども達と一体になって取り組み、ことばの教室、通級指導教室、親の会の活動、子ども達について発信、理解の促進につながり、意義ある大会となりました。東海ブロック会議も東海や全国の様子、国の施策を知る良い機会になりました。

アトラクションは、通級指導教室在籍児童による発表、記念式典では、会長及び来賓あいさつ、表彰式が行われました。
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ちょこっとご寄付のお願い   事務局

年賀状など、書きそんじはがきがありましたら、ご寄付願えませんでしょうか。
一家で数枚の書きそんじはがきも、全国から集まりますと、かなりの枚数になり、
昨年は、各県への通知1回分ほどの切手と交換できました。
書きそんじはがきを事務局宛郵送いただけないでしょうか。
 よろしくお願いいたします。
                  NPO法人全国ことばを育む会事務局
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平成25年12月24日青森県ことばと心を育む会が県に要望

青森県ことばと心を育む会では、平成25年12月24日に①県教育長への陳情及び②県知事
への陳情を行いました。
参加入数は①親5名、教員5名(残念ながら教員は廊下で待機)、②親
7名、教員5名(廊下で時機)でした。今年から教員は廊下で待機という、少し腑に落ちない待
遇となっています。

①では青森県教育庁学校教育課 特別支援教育推進室 梅村室長を代表とする7名の方がご対
応下さいました。内容的には県も予算的に苦しいのでなかなかだが、国の予算案には入っている
のでそれが通ると善処できるかも、というようなものでしたが、全体的に大変誠意をもってご対
応下さいました。

②は、中・軽度聴覚障害者への補聴器購入費の助成をしていただきたい(青森県はまだですの
で)という内容(この内容での陳情は昨年に続き2回目/全国親の会で問題があることを聞いて
来て、青森県の陳情にも入れた物)ですが、1~2カ月前の県親の会の幹事会に県の健康福祉部
障害福祉課の方が2名おいで下さり、昨年陳情いただいたので自分達もこの問題については弘前
大学付属病院まで行って調査したりして、福祉課としてはかなりの必要性を感じているところで
すが、まだ県の上部等には、本当にこれが必要であるという親達の要望の気持ちが必ずしも届い
ていないとも思われるので、陳情の際には、ぜひ親の生の声をきかせて下さい、マスコミにも声
をかけてみます、と大変前向きなお話を頂きました。県の親の会としても各支部に当事者の参
加を呼びがけ十和田地区から当事者のご両親が陳情に加わって下さり、また三沢地区のお母さ
んが、当日は仕事のためどうしても参加できないけれどもと手紙を書いて託して下さいました。

当日は、青森県ことばと心を育む会 村田明子会長から青森県健康福祉部部長さんに陳情書を手
渡した様子を新聞記者が写真に撮った後、部長を始め5名程が親と一つのテーブルに向かい合っ
て、じっくりと話しをきいて下さいました。預かってきた手紙は私が読み上げた後、手渡しまし
た。県側は、この購入費助成も大切だが、早期発見の意味でスクリーニングの改善についても合
わせて検討しています、とお話し下さいました。大変手応えを感じて帰って来ました。

青森県ことばと心を育む会 副会長  竹ケ原克哉

※なお、要請文の文章は、PDFにアップ出来次第公開します。(広報部 田辺)

[1/4追記]陳情書をPDFでUPします。なお、テキストはOCRのため信頼性に欠けます。悪しからずご了承ください。

子どもを真ん中した教育、福祉充実の年に  新年のごあいさつ

10-7%20kato-hi[1]新年おめでとうございます。 昨年8月には、会の50年を記念する全国大会を会発祥の地、千葉市で行い、成功のうちに終えることが出来ました。ご支援、ご協力いただいたみなさんに心から感謝申し上げます。
 私たちの会のメイン・スローガンは、子ども達の「ことばを育む」こと。そのために「こどもを真ん中に親と先生が両側から支えて一歩一歩進もう」です。このスローガンを大切にし、一人一人の子ども達が大切にされる社会の実現、様々なハンディキャップを持つ子ども達の幸せ、生活、教育、福祉の充実のために頑張ります。
ご支援をよろしくお願いします。

2014年の新年にあたって  NPO法人全国ことばを育む会
                         理事長 加藤 碩

 

写真で振り返る平成25年全国ことばを育む会活動

全国の親の会の皆様、会員、関係者の皆様のおかげで平成25年度もNPO法人全国ことばを育む会の活動を無事行うことができました。全国大会を中心に主な出来事を写真で振り返っています。画像をクリックすると大きくなります。広報部

平成26年度障害保健福祉部予算案の概要の送付について

厚生労働省より以下の文章が届きました。平成26年度の障害保健福祉部予算案の概要です。
概要資料については、PDFファイルとして添付しています。

障害福祉関係団体 御中

厚生労働省障害保健福祉部障害福祉課福祉財政係の香取と申します。
日頃より障害保健福祉行政にご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
厚生労働省の平成26年度予算案がまとまりましたので、障害保健福祉部関係の資料を送付いたします。
障害福祉サービス等の自然増につきましては、必要額を確保し、障害のある方が地域や住み慣れた場所で安心して暮らせるよう引き続き取り組んでまいります。
施設整備費補助金についても、補正予算と合わせて相当額を確保することができました。
この他、「新しい日本のための優先課題推進枠」予算を活用し、発達障害者支援センターの機能強化等を推進してまいります。
今後とも、ご指導・ご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

(セット版)障害部予算案PR資料

12月6~7日に開催された、全国特別支援教育推進連盟主催の教育振興協議会での文部科学省初等中等教育局・特別支援教育課長、大山真未さんの報告についてのコメント

千葉大会で採択された「大会宣言」にもとづいて、文部科学省、厚生労働省、地方自治体への要望活動が活発に展開され、数々の成果を上げています。

平成26年度に向けての政策的発展

平成25年12月に開催された「第36回特別支援教育振興協議会」で、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課長報告「特別支援教育の充実について」が行われましたが、私たちの要望が随所に取り上げられています。

その一つは、子ども達の就学先を決定する仕組みが改められました。
これまでは、特別支援学校への就学が原則で、例外的に「認定就学者」として小中学校へ就学することが、可能だった仕組みを、「個々の児童生徒等について、市町村の教育委員会が、その障害の状態などを踏まえた総合的な観点から就学先を決定する」仕組みに変わったことです。報告では「障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見」などを取り入れて、「就学先を決定する仕組み」としたと述べています。インクルーシブ教育か実を結んだといえます。

二つ目に、平成26年度特別支援教育予算において、「発達障害や比較的軽度の障害のある児童生徒のための」「通級指導の対応や特別支援教育コーディネーターの配置」が拡充されて、全国で500人の改善増が実施されることです。
通級指導教室への教員配置は加によって行われていますが、加配の枠が広がることになります。

 三つ目に、障がい児の自立・社会参加に向けた高等学校における特別支援教育充実事業に5億9千8百万円が予算化されたことです。
千葉大会の宣言では、三項目目に「思春期を過ごす中学校でのことばの教室」「高等学校に通級指導教室に準じる『通級の場』の設置」「学校卒業後の子ども達の進路と就労」などを掲げましたが、この項目がズバリ実現にむけて動き出しています。

四つ目に、大会宣言は「先生の専門性を高める」ことを掲げましたが、新年度予算案では、「発達障害のある児童生徒に対する早期支援・教職員の専門性向上事業」として、今年度より7千8百万円増額して、47地域、10大学に発達障害支援アドバイザーを100人配置する「早期支援研究事業」を新規に行うとしています。

要望活動を強めて、成果を生かそう

こうした文部科学省の意欲的な取り組みに、しっかり学んで、各地域での要望活動に積極的に取り組むことが大切です。
わが会のホームページでも紹介した岡山県、山口県、千葉県などの県教育委員会への要望活動でも、かなりの成果が報告されています。各県の活動にも学んで、さっそく活動を開始しましょう。紹介した「特別支援教育の充実について」は、文部科学省のホームページから取ることが出来ます。(K)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main.htm/

NPO法人全国ことばを育む会 理事長 加藤 碩