12月6日(金)全国特別支援教育推進連盟50年記念式典が東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されました。
席上NPO法人全国ことばを育む会の前理事長の土谷 享さんが「特別支援教育功労者」として文部科学大臣表彰を受けました。表彰者は全国28氏。
12月7日、岡山県ことばを育てる親の会の学び場が、サンピーチokayamaで開かれました。講師は東京学芸大学の奥住秀之先生です。
先生は発達障害の基本的な考え方から、研究が進む中での新しい診断方法、具体的にどのような支援が必要かをわかりやすくお話くださいました。
参加者からは、「わかりやすい言葉で伝えてくださったのですごく理解できた」「先生のユーモアを混じえたわかりやすいお話に引き込まれてあっという間の2時間でした。『中学部は再構築の時期』なるほどと思いました。失敗させないことも大切だけれどれど『立ち直り』を支えることが、それ以上に大切であること、本当にその通りだと思います。」などの感想が寄せられ、好評でした。
私たち全国ことばを育む会が加入している日本障害者協議会(JD)が、12月4日、障害者権利条約の批准が参議院本会議で承認され可決成立したことを受けて、声明を発表しましたのでお知らせします。
障害者権利条約の批准にあたって(声明)
特定非営利活動法人
日本障害者協議会(JD)
代 表 田 中 徹 二
本日、2013年12月4日、参議院本会議は、衆議院(11月19日)に続いて障害者権利条約(権利条約)の締結(批准)を全会派一致で承認した。まさに、日本社会にとっての新たな夜明けと言ってよかろう。
権利条約は、2006年12月13日に国連総会で採択された。その採択に至る過程において、JDをはじめ日本の障害者団体は、国連の特別委員会に延べ200名を派遣し、世界中の障害者団体と連携してさまざまなロビー活動にとりくんだ。“Nothing about us without us:私たち抜きに私たちのことを決めないで”は、そうした運動のスローガンであるとともに、権利条約の基礎をなす理念である。
日本政府は、権利条約に2007年9月28日、署名し、2009年3月批准にむけて動いた。しかし、障害者団体は、国内法制が未だ不十分な現状であり、その整備が先決であるという認識から、時期尚早との強い要請を行い、その結果、閣議決定寸前に案件から外された。その後、制度改革の議論を政府とともにすすめることとなったが、その際、2008年10月の全国一斉提訴に始まる障害者自立支援法違憲訴訟の結果、国と交わした「基本合意」は、権利条約とともに、制度改革推進の羅針盤となった。そして、課題は残しながらも、障害者基本法を改正し、障害者総合支援法、障害者差別解消法などを成立させた。
公定訳については、障害者団体の意見を聞き、若干修正はされたものの、指摘された問題点は依然として残っている。「特定の生活施設」は、「特定の生活様式」あるいは「特定の生活環境」と訳すべきであろうし、「インクルージョン」や「コミュニケーション」「アクセシビリティー」などは、原語のままとすべきではないか、など改善されるべき課題は多い。
また、総合福祉部会の「骨格提言」を反映した総合福祉法制をめざすとりくみを継続し、差別解消法のガイドラインなどを、今後の運動で実効性のあるものにしていく必要がある。さらに、東日本大震災での障害者死亡率2倍という事実の検証と改善、福祉的就労で働く障害者の85%の所得が相対的貧困線の年収112万円以下であるという現実、家族依存、社会的入院・社会的入所、制度の谷間の障害、65歳をこえると障害者政策から外されてしまう問題など、今後への課題は山積している。
権利条約の批准は、「他の者との平等」「分け隔てのない社会」という理念により、憲法に次ぐ効力を持って、新しいステージを切り拓いていくものと確信する。
私たちは、障害を理由に、苦難や悲しみが生じない社会にしていかなければならない。世界保健機関(WHO)によると、この地球上の全人口の15%(約10億人)が何らかの障害を有するという。これまで以上に日本の役割と責任が大きいことを自覚しながら、権利条約の批准を、ゴールではなく新たなスタートとして位置づけるべきである。
日本障害者協議会は、権利条約の批准を機にさらなる連帯と制度改革に向けて運動をすすめていく決意である。
2013年12月4日
平成25年度関東ブロック会議を11月16日(土)に、栃木県小山市立小山城東小学校で行いました。
毎年会場を各県持ち回りで情報交換の場として行われており、今回は群馬県、栃木県、茨城県、千葉県の各代表の方、チーム東京からは阿部先生が、そして全国からは事務局長の田嶋先生が参加しました。
お昼を挟んでの会議で、内容としては各県の事業内容の報告をして、それをもとに情報交換をしました。国庫補助事業やJKA補助事業の利点や問題点についても話がでました。
群馬県は、毎年「サマースクール」を一泊二で日開催していて、参加者200名を超える人気の高い行事とないっているようです。参加費2,500円(大人)と言うのも魅力的に感じられました。
栃木県では、「親子ふれあいのつどい」を一泊二日で開催しており、県からの予算がこの事業のために組まれており、それに赤い羽根の募金をプラスアルファして開催しているようです。参加費2,160円(大人)とこちらも魅力的な金額で、恒例行事となっていることもあって、平日の開催にも関わらず多くの参加があるようです。
JKAや国庫の補助事業を行っていない事が話にでて、受ける事ができれば来年度研修会を開催してみたいと話していました。
他県の話を聞いて、「良い参考になった」と、とても前向きな先生方が多いなと感じました。
茨木県は、「親子療育相談会」を開催。これは、個別の相談、検査などを行い、その後の指導につながる大変良い相談会となっているようで、毎回同じ先生がしていると言う点に意味を感じました。今年度は、要望もあり2回開催したようです。
その他、「親子集団キャンプ」を一泊二日で開催しており、恒例行事という事もありこちらも好評のようです。また、自立に向けた「親子ふれあいキャンプ」と題して、東京ディズニーランドを目的地とし、自力で現地まで行く・帰る事などを目標とし、自立の余暇活動に向け計画を立てているとの事でした。
茨城県は、JKAの補助事業が多く、事務局も変わったばかりという事もあり書類提出に悪戦苦闘しているようで、他県からのアドバイスを受けていました。
チーム東京は、世田谷区立鳥山北小学校の阿部先生を中心に親の会の大切さを伝えてくれています。どこの県も、親の集まりは各学校や教室、地域ごとに行われているようですが、県の親の会に所属していない地域も多く、私たちの親の会活動をどう広げていくかも今後の課題であるという内容が話題となりました。
千葉県は、9月18日に「要望書」を提出しました。今年度は、全国大会が重なり提出が例年より少し遅れてしまいましたが、全国大会の余韻が残っており、教育委員会の方もよく話を聞いてくださいました。要望書は毎年提出しており、関東ブロックの他県では提出をしていないとの事で、「要望はないのですか?」との質問に、どの県も同じような問題を抱えている事がわかりました。参考にして提出してもようかな…という意見もありました。
また千葉県では、11月8日に「子どもの気になる行動の理解とかかわり」と題して国庫補助事業保護者研修会を開催しました。お昼を挟んでの研修会でしたが、講師の中島展(ひろと)先生のお話が、実に身近でわかりやすく、久しぶりに大変勉強になる講演を聞けたように思います。
全国大会のおかげで、関東ブロックの輪が広がり、和気あいあいと会議が進みました。良いところは褒めあって参考に、それはまずいのでは…と言うときには、ちょっと意見を出し合ってみたり、充実したブロック会議となりました。1年ごとに役員が変わってしまう県もあり、今後にどう繋げていくかも課題となりそうです。
千葉県ことばを育てる親の会は9月18日 「難聴・言語障害教育に関する要望書」を瀧本 寛 千葉県教育長に提出しました。これには、渡邉みわこ会長、小宮幸子顧問、宮本紀子事務局長が参加。同会顧問の臼井正一県議会議員に同席いただきました。県教育委員会からは、特別支援教育課の課長、指導主事ら3名が応対しました。
要望書の内容、添付資料は、PDFでアップしていますので、クリックしてご覧ください。
千葉県親の会要望書pdf
11月23日(土)に山口県セミナーパークで「山口県ことばを育いる親の会」の「療育キャンプ・研修会」が開かれました。
参加は67名で、午前中山口県教育委員会・特別支援教育室の石本正之室次長、山本朋宏主査のお二人から「山口県における特別支援教育の現状と課題」と題する講演を聞きました。山口県教育委員会の特別支援教育のトータルな取り組みを理解できたと好評でした。問題としては、年々該当児が増加している中で、担当者の専門性や人数が追い付いていないと云う点が指摘されけました。感想文を添付します。
午後からは、「3B体操」の講師の指導のもとで、親子で汗を流しました。
寄せられた参加者の感想の一部を紹介します
・総合支援学校がセンター的機能を担っていることが初めてわかりました。タブレット型やデイジー教科 書のことは具体的に理解できてよかったです。利用してみたいです。通級の先生方への支援はまだまだ 足りないと感じました。
・大変分かりやすく、小学校就学を控えた子どもがいますので、為になりました。中学校以降のことも少 しイメージがつき、とても良かったです。午後からも楽しく活動できました。
・安心して講演が聞けるのが幸せます。受付で託児があり助かります。特別支援学校と小中学校特別支援 学級、通級指導の違いが初めて解りました。県の職員・教育庁の話で一般の通常学級の教職員にどこま で浸透・把握されているのか?と思いました。県の職員だったので回答が早く良かったです。午後から の3B体操楽しかったです。子供はへっちゃらの動きでも私たち大人は息が切れる動きだったり、体力 のなさを自覚しました。親子でのペア体操もボランティアさんのおかげで兄弟喧嘩もなく助かりまし た。託児ボランティアさんへ、末の子の子守りありがとうございました。
・山口県全体で通級教室がほぼ毎年設置学校が増えている現状に少し安心しました。やはり、自分の学校に通級があるのと無いのでは子供の負担が違うと思います。保護者の意見が通じており、良いことだと思いました。あと、通級・支援学級の先生だけの研修だけではなく、普通学級の先生方のスキルアップも教育委員会のほうでも研修されているとの事で安心はしておりますが、先生方に響いているのか正直不安があります。今後も、取り組んでいただきたいです。午後からの3B体操は初めてで、子供に出来るのか不安でしたが、全部は無理でしたが楽しそうでした。上の子はもうちょっと動きのある運動がよかったみたいです。私はとてもゆったりストレッチできたので良かったです。
11月14日山口県ことばを育てる親の会は、山口県教育委員会に要望書を提出し、一時間半にわたって、「特別支援教育の充実を求める」意見交換会を行いました。県内各地から24人のお父さん、お母さんが参加しました。
要望書の内容は以下の通りです。
山口県教育委員会 田邉恒美教育長 様
2013年11月14日 山口県ことばを育てる親の会
会 長 加 藤 碩
特別支援教育の充実をもとめる要望書
山口県教育委員会が、特別な支援を必要とする子ども達の教育の充実のために、はらっておられる日頃からのご努力に、心から感謝を申し上げます。
今年も各地の親の会から寄せられている要求をまとめて要望書を提出いたします。県教育委員会が各市町教育委員会との連携のもとに、誠意ある積極的な解決をはかって頂きますように要望いたします。
1、 中学校の通級指導教室の設置は、小学校との一貫性という点や思春期をすごす中学生のニーズにあったきめ細かな教育を保障する立場から、全ての市に設置していただくように、引き続いて取り組みを強化してください。 各地の「親の会」から上がっている要望は以下の通りです。
(1) 山口市南部の生徒のニーズに対応して、小郡中学校に設置してください。
(2) 山口市平川中学校に教室を設置してください
(3) 合併で広域となった下関市に二校目、三校目を設置してください。
(4) 長門市に教室を設置してください。
(5) 防府市に二校目の中学校の教室を設置してください
(6) 周南市富田中学校に教室を設置してください
関係者のご努力によって、中学校の通級指導教室の設置が年々すすんでいますが、教育条件整備の面からみると、担当者の配置、専門性の確保、施設設備など不十分な面が多々あります。充実をはかってください。
2、「いつでも、だれでも、気軽に」通級できる通級指導教室を、県内各地にいっそうきめ細かく開設してください。
(1) 「ことばの教室」と呼称されていたころから設置のなかった、上関町、旧阿東町、旧徳地町、旧油谷町、旧秋芳町などの小学校に設置を急いでください。
(2) 校内通級が実現できるように、要望の強いところから設置を急いでください。
(3) 通級希望の児童・生徒数が増加し、都市部では待機児が増えています。担当の先生の配置数を複数に増員してください。新設された通級教室に専門性の乏しい非常勤の先生が配置されている教室の改善をはかってください。貧弱な備品、プレイルームや防音施設のない教室など、教育条件整備は急務です。早急に改善をはかってください。
(4) 幼児教室と小学校入学後の教育の連続性を確保し、すべての地域の「通級指導教室」に幼児教室を併設するように、市町教育委員会を指導援助してください。待機している幼児が相当数に上る地域が急増しています。改善を早急にはかってください。
(5)担当の先生の研修の充実、専門性と指導の継続性を確保できるように、教員配置を改
善してください。
3 特別支援学級の増設をはかってください。難聴学級の貧弱な施設設備の改善を検討してください。
4、高等学校における「特別支援教育」の充実をはかってください。ことばやきこえ、発達にハンディキャップをもつ高校生のために、二―ズにもとづく指導が受けられる通級の場の設置をはかってください。公立高校だけでなく、私立高校への支援を検討してください。
5、山口県立大学に在籍する発達障がい学生に対する支援の体制を検討してください。県立以外の県内の大学生についても検討を開始してください。
岡山県ことばを育てる親の会と岡山県教育委員会との平成25年度の話し合いが行われました。
これには県下の親の会の役員、事務局が参加。県教育庁からは、特別支援教育課総括副参事 山岡 各史さんら3名が応対していただきました。
最初に県親の会岡野一保美会長が、要望書を提出しました。
要望書では
①倉敷市では通級指導を2年間を目標とするなど、通級が受けづらくなる状況が生まれていることや、週一回の指導ができないなどの事態が起きており、教員の増員を図って下さい。
②子どもたちの生活圏内で指導が受かられるように指導教室を増やしてほしい。
③自校通級を図ってほしい。
④中学校に通級指導教室を広げてほしい。⑤通級指導教室の広報の強化
⑥教員の研修の充実
⑦高等学校での特別支援教育の推進
を求めています。
各保護者からは「倉敷市では通級が2年と制限されると聞いて不安になっている。必要な子どもには期限を設けずに指導してほしい」「通級するのに、往復時間を含めると3時間もかかってしまう。身近なところに教室をつくってください」「通級を希望する子どもたちが増えて週一回の指導が受けられない。先生を増やしてほしい」「岡山市には一校しか中学校の教室がない。倉敷市のようにサテライト教室をつくってほしい。早島にも中学校の通級が必要」など切実な声が出されました。
これに対して、岡山県教育庁義務教育人事班川上慎治総括副参事は「通級指導教室を希望する保護者が増えているが、それに十分岡山県教育委員会が応えられていないのは事実。今日、保護者の皆さんの切実な声を聞かせていただき、その声を踏まえて、しっかり対応していきたい」との力強いお答えをいただきました。
この話し合いには、会員校ではない、岡山市の親の会の方々も参加いただきました。ありがとうございました。
これからも粘り強く訴えていきたいと思いました。この申し入れには、森脇ひさき県議会議員が同席していただきました。
特集 青年期を迎える障がい児(者)への支援を考える
今回の特集では青年期を迎える障がい児(者)への支援を取り上げ、Ⅰ親の立場から、Ⅱ中学校の支援 Ⅲ開始された高等学校での取り組み Ⅳ大学の支援を取り上げています。 高等学校での支援については、全国でも初めての取り組みとして、島根県教育庁特別支援教育課課長 原田雅史さんから、「高等学校ソーシャルスキルトレーニングモデル事業について」と題して寄稿していただきました。高等学校に通級指導教室がない中、高等学校での支援の方法として、大変先進的な取り組みで大いに学びたいと思います。
◇なお巻頭の「提言」では、この時期各県において行政への要望活動が行われますが、その際留意してほしい点を簡潔にふれています。
メールでのお申込は⇒ info@zkotoba.jp
けつまずいても、ころんでもー私の子育てと親の会
目次
ことば・きこえの教室卒業生を訪ねて
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ことばあそびをしようⅡ
著者 阿部 厚仁 (東京都世田谷区立鳥山北小学校ことばときこえの教室担当 全国公立学校難聴・言語障害教育研究協議会事務局長)
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(吃音のある)子どもに向き合うために
著者 中村 勝則 (元西東京市保谷小学校ことばの教 室担当)
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ことばの障害をもつ子への援助
執筆者 大石 益男 (1944~1996 元国立特殊教育総合研究所研究室長 島根県立短期大学名誉教授 教育学博士
原 広治 (島根大学教育学部教授)
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吃音とともに豊かに生きる
著者 伊藤 伸二 (大阪教育大学非常勤講師、日本吃音臨床研究会会長 国際吃音連盟顧問理事)
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正しい発音が育つための口育て・口遊び
著者 中村 勝則 (元西東京市保谷小学校ことばの教室担当)
目次
NO.1~NO.35までの指導書はこちらをご覧ください→http://b.zkotoba.jp/?p=194
申し込みは、下記の方法の(1)~(3)のいずれかでお申し込みください。
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